2015年12月11日

小児の歯肉、口唇、小帯における疾患や異常[しょうにのしにく、こうしん、しょうたいにおけるしっかんやいじょう]について

小児の歯肉における疾患

小児の歯肉における代表的な疾患には、以下のようなものがあります。

ベドナーアフタ(べどなーあふた)

申請時の硬口蓋粘膜にできる外傷性潰瘍で、表在性かつ有痛性の潰瘍です。
哺乳びんの乳首や哺乳時の口腔内の陰圧が原因でおこります。
口腔内清掃や抗菌薬軟膏の塗布といった処置を行います。

歯肉膿瘍(しにくのうよう)

う蝕が原因となり、根尖性歯周炎が拡大し、歯肉に膿瘍を形成したものです。
原因菌の感染根管治療、あるいは抜歯が行われます。
場合によっては膿瘍切開を行います。

小児の口唇における疾患

小児の口唇における代表的な疾患には、以下のようなものがあります。

口唇ヘルペス(こうしんへるぺす)

ヘルペスウイルスによる、口唇に形成された水疱です。
ヘルペスウイルスは初感染時に症状(ヘルペス性口内炎)がなくとも神経質にとどまり、発熱や日光刺激などによって免疫が低下すると、口唇などに水疱を形成します。
痛みがある場合も多いため、その際には抗ウイルス薬入りの軟膏を塗布します。
また、細菌感染の恐れがある場合には抗菌薬の投与を行います。

粘液嚢胞(ねんえきのうほう)

粘液瘤とも呼ばれる水疱です。
口唇に存在する小唾液腺に導管部の損傷によって炎症が生じ、唾液が組織内に貯留することでできる水疱です。
境界明瞭な水疱性病変であり、形成と自壊を繰り返すことが多い傾向にあります。
処置として、周辺腺組織を含めての摘出を行うことがあります。

小児の小帯異常

小児の小帯における代表的な疾患(異常)には、以下のようなものがあります。

上唇小帯の異常(じょうしんしょうたいのいじょう)

通常、乳児期には上唇小帯と切歯乳頭がつながっています。
小帯は歯槽骨の発育に伴い退縮していきますので、乳歯列期に小帯を切除しなくてはならないケースというのは多くなく、歯ブラシの使用が困難であり、口腔内の清掃が適切にできないケース等に限り切除が行われます。
永久切歯萌出時に正中離開の原因と考えられる場合もありますが、犬歯の萌出直前までは経過観察をすることが一般的です。
犬歯の萌出時期の直前になっても閉鎖傾向が認められない場合においては小帯の切除を行います。

舌小帯の異常(ぜつしょうたいのいじょう)

新生児は舌小帯も比較的太く短い傾向にあり、舌尖部に付着しています。
しかし、舌小帯も舌の成長に伴って退縮していきますので、低年齢での舌小帯の手術は避けるべきであると言われています。
幼児期となったタイミングで舌突出時に舌尖にハート型の陥凹を示す場合にはラ行音の構音障がいを生じる可能性がありますので、構音が完成するまでに(一般的には6歳まで)、外科的延長術を行います。

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