2016年08月23日

全部床義歯(ぜんぶしょうぎし)について

全部床義歯とは

全部床義歯とは、いわゆる総入れ歯のことを指し、すべての歯を形どった入れ歯です。
歯のすべてを補う入れ歯であることから、フルデンチャーとも呼ばれています。

全部床義歯は、歯の役割をする人工歯と歯肉の部分になじませる義歯床でできています。
義歯床の部分が歯のすべてを補う土台となることから、全部床義歯と呼ばれるのです。

全部床義歯の必要性

高齢になり歯が全て抜け落ちてしまった際には、食べることはもちろん話すことなどにも影響を及ぼします。
そしてやはり見た目にも問題が出てくるものです。

そこで全部床義歯を装着して噛むことやしゃべることを問題なく行えるようにするわけです。
歯をすべて失った人が明るく健康に過ごすために全部床義歯が役に立ちます。

全部床義歯を固定する方法

全部床義歯を使う場合では土台とする歯がないため、義歯床の部分を残った歯肉の粘膜に吸着させます。
吸着して固定するためには唾液の働きが必要となり、唾液が少ない場合には固定が難しくなります。

その他、歯の根だけが残っている場合やインプラントを埋入した場合にそこに装置をつけて固定させる方法もあります。

全部床義歯の種類

全部床義歯は、義歯床によって種類があります。
保険適用内、適用外のものがあり、特徴も異なるのです。

レジン床義歯

保険適用内で作成できるもので、一般的に使用されている種類です。
安価であり、不具合が起きても修理が容易にできるのがメリットです。
デメリットは汚れやすいところで、毎日の手入れをきちんと行うことが必要になります。

スルフォン床義歯

比較的耐久性が強く汚れにくいため、取り扱いがしやすい種類です。
煮沸消毒に耐えられる素材であることから、清潔な状態を保ちやすいです。
こちらも保険適用内で使用できます。

金属床義歯

義歯床を金属を用いて作成したもので、レジンやスルフォンといったプラスチックのものよりも薄く仕上げることができます。
そのため、口内の異物感が少なくなじみやすい、食べ物の温度を感じやすいといったメリットがあります。

使用する金属は、薄くて耐久性も強いコバルトクロムや腐食しにくく体への影響も少ないゴールド、素材が軽く金属アレルギーの人でも使用できるチタンなどです。
いずれも保険適用外となり、素材によってもかなり費用が違ってきます。

シリコン床義歯

義歯床の一部に柔らかい素材のシリコンを使用した種類です。
プラスチックや金属では固くて痛みを覚えることもありますが、シリコンなら粘膜に触れる部分が柔らかいため、痛みもなくぴったりとなじませることができます。

しかし、汚れやすく手入れが大変なことや保険適用外で高額になることなどがデメリットです。

アタッチメント義歯

歯の根だけを残すことができた場合などに、その箇所にアタッチメントを取り付けて義歯を固定させる方法です。

この種類には磁石を使用したものやアタッチメントがホックのようなボール状になったもの、アタッチメント同士の間にバーを取り付けて固定させるものなどがあります。
この種類も保険が適用されず、費用は自費です。

インプラント義歯

歯の根まで全くなくなってしまった状態であれば、インプラントを埋入することでそこにアタッチメントを取り付けて義歯の固定を行うことができます。

全部床義歯をインプラントで固定する場合、片顎だけで10本弱のインプラントが必要でしたが、近年はそれを4本に抑えて治療ができるAll-on-4と呼ばれる治療法もあります。
こちらも保険適用外の治療方法です。

人工歯の種類

義歯床に取り付ける人工歯にも種類があります。
一般的に用いられるのはレジンで、義歯床に用いる場合と同様安価な反面汚れやすく、変色もしやすい素材です。

比較的自然の歯に近い色にできるのがセラミックで、審美的にも優れています。
その他金属が用いられる場合もあります。

この中で保険が適用されるのはレジンのみで、その他の素材を使用する場合は保険適用外となり、費用は自費で支払うことになります。

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