2015年12月11日

小児の歯肉炎[しょうにのしにくえん]について

小児の歯周疾患について

歯周疾患はプラーク細菌により発生する感染症で、グラム陰性の嫌気性細菌が関係していると考えられています。
小児の歯周疾患のほとんどは歯肉炎だと言われています。

  • グラム陰性(菌):グラム染色においてクリスタルバイオレットによる染色が脱色される細菌の総称です。ペプチドグリカン層が薄く脂質が多い細胞壁をもっているという特徴があります。外膜が粘液層で覆われているものが多く、細菌細胞の抗原を隠すように働きます。一般的に病原性の細菌が多いと言われます。
  • 嫌気性細菌:増殖に酸素を必要としない細菌のことです。酸素存在下で酸素を利用することができる「通性嫌気性」と、大気レベルの濃度の酸素に暴露することで死滅してしまう「偏性嫌気性」に分けられます。

小児の歯周組織の特徴

乳歯列期の歯列組織は弾力に富んでいて、血液循環も良好です。
また、外的刺激に対する応答も早く、障害をうけにくく、また受けても回復が早いという特徴があります。
萌出途上の永久歯の歯肉溝は深いものの、徐々に歯肉溝も浅くなっていきます。

歯肉炎とは

歯周疾患のうち、以下の特徴をもったものを歯肉炎と呼びます。

  • 炎症が歯肉に限局している
  • 歯槽骨の吸収がない
  • アタッチメントロス(アタッチメントレベル:付着の位置 が根尖側に移動すること)がない

小児の歯肉炎は口腔内の不潔が原因であるものが多く、プラークの除去などによって炎症の原因がなくなると、比較的簡単に元の健康な状態に戻りやすいと言われています。
なお、小児の歯肉炎は3歳で約33%、6歳で約42%の発生率であり、そう低くない頻度で発生しています。

小児の歯肉炎の種類

小児における歯肉炎には、プラークの付着が原因である「単純性歯肉炎」と思春期のホルモンの変調が原因といわれる「思春期性歯肉炎」とがあります。

単純性歯肉炎

小児の歯肉炎はほとんどがこの単純性歯肉炎であると言われます。
単純性歯肉炎はプラークの付着が原因であり、そのことから不潔性歯肉炎と呼ばれることもあります。
ブラッシング指導や、歯石除去によって原因となるプラークが除去されるとすぐに治癒します。
また、歯の萌出の際に辺縁歯肉や乳頭部に限局してみられる一過性の歯肉炎を「萌出性歯肉炎」よ呼びます。

思春期性歯肉炎

思春期性歯肉炎は、10歳から12歳ごろの、思春期に相当する女児に顕著となる歯肉炎です。
思春期性歯肉炎はホルモンの変調によって引き起こされると考えられていますが、口腔清掃の徹底等により、比較的簡単に元の健康な歯肉に戻すことができます。
歯間乳頭の発赤と腫脹が特徴です。

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