アタッチメントレベル(あたっちめんとれべる)について
アタッチメントレベルとは
アタッチメントレベルは、歯肉が歯についている距離を示すもので、歯周ポケットの深さを測るための数値です。
歯根部で歯根膜に覆われているセメント質と歯肉から出た部分を覆っているエナメル質の境目をCEJ(セメント-エナメル境)といいますが、この境目と歯と歯茎が密着するポケット底までの距離を指します。
アタッチメントレベルの必要性
アタッチメントレベルは歯周病の進行を知るために用いられる数値です。
この数値は個人差があるため、比較したときに数値が小さくても症状は進んでいるということもあり得るのです。
単純に歯周ポケットの深さ(プロービングデプス)は歯肉の頂点(歯肉辺縁)からポケット底までの距離をプローブと呼ばれる器具により測定します。
しかし、歯肉辺縁の高さは腫れや退化によって変わってきます。
そのため歯周ポケットの深さだけでは、正常な歯と歯肉の状態からどれだけ歯周病が進んでいるかの判断ができないのです。
そこでアタッチメントレベルを正確に測定することにより、歯周病の進行具合を正確に診断することが可能になるわけです。
また、求められた数値は患者さんの歯を残すことができるかどうかなどを判断する材料にもなります。
アタッチメントレベルの測定方法
上記で紹介したようにプロービングデプスとアタッチメントレベルの数値は異なります。
これは歯肉辺縁の高さが必ずしもセメント-エナメル境と一致するわけではないためです。
そこで、アタッチメントレベルを求めるには、プロービングデプスの数値から歯肉辺緑とセメント-エナメル境の距離を差し引く必要があります。
例えば歯肉辺縁がセメント-エナメル境よりも高い位置にあり、プロービングデプスが8mmで歯肉辺縁とセメント-エナメル境の距離が2mmだったとすると、8mm-2mmでアタッチメントレベルは6mmとなります。
逆に歯肉辺縁がセメント-エナメル境よりも低い位置にあり、プロービングデプスが6mm、歯肉辺縁とセメント-エナメル境の距離が2mmだった場合、歯肉辺縁とセメント-エナメル境の数値をマイナスとして6mm-(-2mm)でアタッチメントレベルは8mmとなるわけです。
こうした測定方法で算出したものを臨床的アタッチメントレベルと呼びます。
一方、組織学に基づいて算出された数値は組織学的アタッチメントレベルとして区別されています。
プロービングデプスとアタッチメントレベルの関係性は、相対的な数値と絶対的な数値であるといえるでしょう。
プロービングデプスの数値が小さくなっていたとしても、歯周病が快方に向かっているわけではなく、歯肉の退化により歯肉辺縁もポケット底が下がった結果かもしれません。
そのため、ポケット底が下がって歯肉の退化が進んでいることを絶対的に示すアタッチメントレベルの数値が歯周病の診断や治療に欠かせないのです。
アタッチメントレベルとプロービングデプスの測定は合わせて行われることが多いですが、測定の方法にはいくつかあります。
1ヵ所から測定する1点法や歯の外側と内側、ほか2ヵ所の計4ヵ所から測定する4点法、測定箇所を2ヵ所追加した6点法です。
測定する箇所が多ければ、一番ポケット底が低いところを測定できるため、歯周病の進行具合を把握しやすくなるでしょう。
アタッチメントロス
アタッチメントレベルについて関連する用語として、増加した数値を意味するアタッチメントロスがあります。
例えば前回測定時のアタッチメントレベルが6mmであり、次の測定のときに8mmになっていたとしたら、アタッチメントロスは2mmになります。
反対に、アタッチメントレベルの数値が減少することをアタッチメントゲインと呼びます。 アタッチメントレベルが8mmから6mmになっていれば、アタッチメントゲインは2mmです。
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