2015年12月11日

顔面頭蓋の発育[がんめんずがいのはついく]について

顔面頭蓋とは

一般的に頭と言われる部位は、脳頭蓋(頭の上部に位置する、狭義の頭)と顔面頭蓋(頭の下部に位置する、いわゆる顔)に分けることができます。
顔面頭蓋と脳頭蓋は発育様式が同一でなく、スパート(発育の急進)の時期が異なります。
脳頭蓋は大脳の発育過程と一致し、6歳までにその大きさと重量は成人の90%に達しますが、顔面頭蓋については乳幼児期と思春期にスパートのある身長の発育過程と一致します。

脳頭蓋と顔面頭蓋(上顎骨、下顎骨)の発育の変化

  • 0から5歳:脳頭蓋の発育が顕著な時期です。上顎骨は、発育の早い脳頭蓋に接しているため、下顎骨に比べて発育が早くなっています。
  • 5歳から10歳:上下ともに顎骨の発育変化が大きな時期です。
  • 10歳から20歳:思春期の成長スパートが上下顎骨に見られます。

脳頭蓋と顔面頭蓋の発育の変化

顔面頭蓋の発育

顔面頭蓋の発育は、発育段階により成長量、成長方向、スパート時期などが一定ではなく、変化に富んでいます。
顔面頭蓋は鼻骨、鋤骨、涙骨、舌骨、頬骨、上顎骨、下顎骨、口蓋骨、下鼻甲介の9種15個の骨で形成されていますが、それぞれの骨が発育段階に応じて幅、高さ、深さという3次元の方向に成長します。

顔面頭蓋における方向別の成長の特徴

  1. 幅の成長 – 顔面頭蓋において幅がもっとも早く成長します。出生時にすでに成人の56%まで形成されており、2歳ごろに80%まで成長します。
  2. 高さの成長 – 顔面頭蓋において、高さの成長は、出生前の成長量はそれほど多くありません。出生後、特に乳歯及び永久歯の萌出にともない、大きく成長します。
  3. 深さの成長 – 顔面頭蓋において、深さの成長は高さ同様、出生後に形成される割合が大きくなります。 2歳ごろには成人の75%まで成長しますが、18歳ごろでも98%と、完全には成長しきっておらず、生長期間が長いことが特徴です。

顔面頭蓋における時期別の成長の特徴

  1. 無菌期(出生直後) – 出生時には幅の成長が顕著です。
  2. 乳歯萌出期(0から2歳) – 歯の成長が関係し、高さ、深さの成長が大きくなります。
  3. 乳歯列期(2歳から6歳) – 咬合が完成される時期であり、引き続き高さ、深さが大きく成長します。
  4. 混合歯列期(6歳から12歳) – 第一大臼歯の萌出が関係し、高さが成長するとともに、前歯や側方歯群の交換が関係し、幅が成長します。
  5. 永久歯列期(12歳から18歳) – それぞれにバランスよく成長し、永久歯列が完成されます。

顔面頭蓋における幅、高さ、深さの成長

顔面頭蓋の構成

顔面頭蓋を構成する骨

顔面頭蓋は主に下記の4つにより構成されています。また、脳頭蓋との境界は眼窩の上縁となります。

  • 上顎骨のペア:眼窩の下から上顎を構成します。
  • 下顎骨:下顎を構成します。
  • 鼻骨のペア:鼻の付け根にあります。
  • 頬骨のペア:頬の張り出しを構成します。

顔面頭蓋にある孔

  • 消化器の入り口です。
  • 梨状孔
  • 呼吸器の入り口です。鼻腔の入り口であり、呼気の入り口となります。
  • 上顎骨、鼻骨で囲まれており、鼻中隔、上中下の鼻甲介があります。中鼻甲介、下鼻甲介によって上中下の鼻道に分かれます。
  • 下鼻甲介は単独の骨ですが、上鼻甲介、中鼻甲介は篩骨(しこつ、鼻腔の天井にある骨)の一部です。
  • 鋤骨(形状が農具の鋤に似た骨)および篩骨(形状は垂直版状)によって鼻中隔が作られます。
  • 眼窩
  • 眼球が収まります。
  • 前頭骨(入口の上)、上顎骨と頬骨(入口の下)、蝶形骨(奥)、涙骨(眼窩内側、涙嚢を入れる小骨)により構成されます。※涙嚢- 涙がたまる袋状の部分
  • 外耳孔
  • 聴覚器の入り口です。

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