2015年12月11日

顎の発育[あごのはついく]について

顎の構成について

上顎骨

上顎を形成する左右一対の骨です。左右上側部は側頭骨にはまりこんでいます。また、下縁には上歯があります。

下顎骨

下顎を形成する骨です。馬蹄形と言われる形状をしています。
顎関節を作る「関節突起」と、こめかみ部分からの大きな側頭筋という筋肉がついて咀嚼運動を行う「筋突起」という2つの突起があります。

歯槽突起

上顎骨と下顎骨にある歯の入れ物となる部分です。
歯槽突起が後ろ側へ退化し、前方に残された下顎骨の一部が「オトガイ」と呼ばれるものです。

顎関節

頭部にある唯一の関節です。咀嚼運動に必要な関節になります。
顎関節は下顎骨、側頭骨によって構成され、頬骨弓(眼窩の外側方にある、橋状の眼鏡のつるのような骨)は頬骨と側頭骨によって構成されます。
茎状突起には茎突舌骨筋がつき、開口運動(顎を開く運動)に関わります。

関節円盤

顎関節には関節円盤と呼ばれる部位があり、脊柱の椎間板のような働きをします。

顎の発育

上顎骨の発育

上顎骨は、口蓋骨や頬骨などの上顎骨に隣接する顔面骨と互いに縫合で接合されています。
そのため、上顎骨は単独ではなく上顎複合体として発育します。
縫合部での骨新生と骨体部での骨添加及び骨吸収という成長様式での発育をし、発育方向は主に顔面の前下方となります。

下顎骨の発育

下顎骨は単一の骨ですが、その成長には下顎体(下顎骨体、下顎骨の中央部分)、下顎枝(下顎体後縁でほぼ垂直に立つ板状の部分)、下顎頭(顎と頭蓋骨の関節部分)、歯槽突起部(上顎骨と下顎骨にある歯の入れ物となる部分)などの発育が関係します。
下顎骨の成長は下顎頭軟骨(下顎頭の上面となる関節面を覆う線維軟骨)が中心となります。
下顎頭での骨形成は下顎枝を上後方に成長させ、下顎を前下方に移動させます。

下顎枝では、後縁での骨添加と前縁での骨吸収により、幅を広げつつ後方へと拡大します。
また、下顎骨体では、骨添加と骨吸収により下顎の幅を広げます。
歯槽突起部では歯の萌出に伴い骨添加が起こり、下顎骨体の高さが高まります。

顎関節の発育

下顎頭の形成とほぼ同時に関節窩(関節を構成する骨の一方のくぼんだ側の関節面)の形成が始まります。
顎関節の関節窩は胎生5か月ごろを目途に完成します。
顎関節の発育は、小児の下顎運動に適応するように形成され、乳歯の咬合が安定する「乳歯列完成期」では関節窩が深くなり、下顎頭の形態が整っていきます。

永久歯列完成期になると、咬合により下顎運動が規制されるため、関節窩がますます深くなり、下顎の形態は成人のものと同じようになっていきます。

顎の発育異常と不正咬合

上顎骨の成長が十分ではなく、上顎骨が後方に位置しているときには前歯部反対咬合(いわゆる受け口、下顎前突)が生じることがあります。
また、歯の萌出余地が不足してしまい、叢生(歯が重なって生えている状態)などの不正咬合となる場合もあります。
逆に、上顎骨の成長が過剰であった場合には、上顎前突(いわゆる出っ歯)が生じることがあります。
下顎骨の成長が十分ではなく、下顎骨が後方に位置しているときには上顎前突が生じることがあり、逆に下顎骨の成長が過剰であった場合には反対咬合となることがあります。

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