歯科衛生士の残業代、残業手当について

【歯科衛生士はどれくらい残業代をもらっている?】

多くの歯科衛生士が勤務している歯科医院では、例外的な歯科医院を除いて一定の残業が発生していることが多いと思います。

実は、「残業が多くて大変」、といった理由で転職する歯科衛生士は少なくないのですが、「残業代がちゃんと払われない」、「残業がすべてサービス残業」といった不満から転職するという歯科衛生士も案外多いのです。

残業そのものというよりも、歯科衛生士と残業代・残業手当について調べてみました。

「歯科衛生士の残業代や残業手当はどうなっているの?」の目次

残業手当がない歯科医院もある?
歯科衛生士はどれくらい残業時間している?
歯科衛生士の残業代はいくらくらい?
歯科衛生士が残業代について知っておくべきこととは
「歯科衛生士の残業代や残業手当はどうなっているの?」の関連コンテンツ

残業手当の有無は?

平成27年に日本歯科衛生士会によって実施された「歯科衛生士の勤務実態調査」の報告書によると、常勤歯科衛生士の約74%、非常勤歯科衛生士の約30%が、就業先において残業手当があると答えています。

また、この比率は継続的に上昇している傾向にあります。

【時間外手当(残業手当)の有無】 ※日本歯科衛生士会資料より

平成11年 平成16年 平成21年 平成26年
常勤 70% 71% 73% 74%
非常勤 22% 26% 27% 30%
残業手当のありなし

【残業手当ありの歯科医院が増えている】 

残業代の支給については、手当の制度がなければ払わなくてもよいというものではなく、原則的に残業が発生すれば残業代も発生します。

そのため、この数字は支給実績そのものに近いということができます。

残業手当なし、ということは

  • そもそも残業自体がない
  • 残業があったとしても残業代の支給がない(サービス残業)

のどちらかなわけですが、その内訳まではうかがい知ることができません。

ただし、残業手当という制度があってもちゃんと残業代を払っていないという歯科医院もあります(もちろんそんなことは許されないのですが)ので、その点も考慮する必要があります。

歯科衛生士の残業時間は?

残業時間の長さは

【歯科衛生士はどれくらい残業しているの?】

歯科衛生士がどの程度の残業をしているかについては、本当に勤務先の歯科医院によってバラバラです。

残業を多いと思うか少ないかと思うかも人によりますが、一般的なイメージとしては、

  • 月数時間の残業→かなり少なめ
  • 月10時間~20時間→普通にある、という感じ
  • 月20時間オーバー→残業結構ある
  • 月40時間オーバー→残業かなり多い

という感じでしょうか。

歯科衛生士の毎月の残業代は?

残業代の金額は

【歯科衛生士はどれくらい残業代をもらっている?】

当然、ちゃんと残業代が支払われるという前提においては、残業時間の多さは残業手当の多さ、収入の多さに直結します。

残業が多い、という歯科衛生士さんの中には、毎月の残業代が5万円以上、さらには6万円以上という方もいるそうです。

今まで残業をそこそこしていて、それなりの金額の残業代をもらっていた歯科衛生士が転職する際に、転職先があまり残業がないところだと、思いがけず収入が減ってしまうことがあります。

給与条件がほぼ同じ、残業手当の制度もちゃんとある、という状況であったとしても、歯科衛生士の残業代の支給実績などをしっかり確認しておいた方がよさそうです。

歯科衛生士の残業代・残業手当の知っておきたいアレコレ

残業手当を計算

【残業代の計算は結構複雑】

みなし残業手当

みなし残業という制度を聞いたことはあるでしょうか?

正式にはみなし労働時間制という制度で、歯科医院、歯科衛生士にとってはまだあまりなじみのない制度ですが、一般企業などではしばしば取り入れられている制度です。

特に大きな企業でよく利用されており、企業の約10%強で取り入れられているそうです。

どのような制度か

みなし残業とは、その名の通り、一定時間の残業をしたものとみなして、あらかじめその時間分の残業代を支給することとしている制度です。

つまり、月20時間のみなし残業制をとっていれば、仮に残業をまったくしなかったとしても20時間分の残業代をもらうことができます。

そのうえで、20時間以上残業した場合には、その分の残業代は別途支払われる、という制度になります。

従業員にとってのメリット

実際に働く従業員、歯科衛生士にとってのメリットはなんでしょうか。

もちろん、みなし残業手当の規定以上に残業がなかった場合、その差分が「オトク」と言えるでしょう。

また、実際に残業をする前提ではあるものの、固定的に入ってくる給与の金額がそれなりに大きくなりますので、その点もメリットと考える歯科衛生士も多いようです。

雇用主にとってのメリット

雇用主、つまり歯科医院(院長)にとってのメリットは何でしょうか。

ひとつには、残業代の計算が簡単だという点があります。

また、みなし残業手当を見込んだうえで求人広告を出すなどして、給料が高い歯科衛生士求人であることをPRすることもできます。

「月給25万円以上(月20時間のみなし残業手当含む)」というようなイメージです。

みなし残業手当における注意点

みなし残業制度における手当や残業代については、注意すべき点もあります。

一つ目は、雇用主側の歯科医院が、「みなし残業制であれば、どれだけ残業をしても(既定の時間を超えても)それ以上の残業代を支払わなくてもよい」と勘違いしている場合があることです。

この考え方は間違っているのですが、一定比率では起こっているようですので注意が必要です。

そのため、一部ではみなし残業制=ブラック企業、と思っている人もいます。

また、もう一点の注意点として、歯科医院が「みなし残業手当を20時間分つけているのだから20時間残業して当然」と考えていることがあるということです。

この点については法律的に問題があるといったことではありませんが、「早く仕事を終わらせて早く帰ればその分得」と思っていた歯科衛生士にとっては想定と違うことになってしまいます。

実際に働いている歯科衛生士の残業時間の実績などを確認しておくことで、ある程度解消できるかもしれません。

残業代の計算方法

残業代の計算については、実はかなり複雑で例外的なケースもありますので、あくまで一般的な残業代、残業手当についての内容となります。

実は、残業には時間外労働と法内残業の2種類があり、種類によって残業代の計算の仕方が異なります。

時間外労働とは

1日8時間、1週40時間を超えて労働した分(残業した分)を時間外労働と呼びます。
※スタッフが10名以下の歯科医院である場合には特例措置として44時間を超えた分とできる場合があります

一般的には「残業」と言われて想起するのはこの時間外労働のことかもしれません。

時間外労働に対しては、通常の給料の単価に1.25倍をかけた割増賃金を支給しなくてはいけません。

仮に1週間の労働時間が40時間未満であったとしても、その週の中で1日8時間以上の労働があった場合には、その分の残業は時間外労働となります。

1日のシフト、定時の勤務時間が8時間の歯科医院で働く歯科衛生士さんは多いと思いますが、この場合には残業した分はすべて時間外労働となります。

法定残業とは

1日のシフト、定時の勤務時間が8時間未満の歯科医院で働く歯科衛生士さんである場合、8時間までの残業分は時間外労働とはなりません。

この部分を法内残業と呼びます。

法内残業についても、残業代はもちろんつきますが、割増賃金は適用されません。

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監修者:藤多久仁子

歯科衛生士 (2009年免許取得)

キャリアエージェントとしての勤務経験もあり、歯科衛生士の転職サポート実績も多数。

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