社会保険完備は贅沢?歯科衛生士の社会保険加入状況

歯科衛生士の社会保険事情まとめ

【歯科衛生士の社会保険加入率は?】

勤務先を選ぶ際に、社会保険を重要視する、という歯科衛生士さんも多いのではないでしょうか。
しかしながら、開業医の歯科医院において、社会保険完備(労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金のすべてに加入していること)の求人は決して多くありません。

また、特に健康保険については、「歯科医師国保」という、業界独自の特殊な健康保険に加入しているケースが多く、一言でいうとわかりにくい状況です。
いったい、歯科衛生士の社会保険加入率はどの程度なのか、「ファーストナビ」では歯科衛生士の社会保険加入率について調べてみました。

「社会保険完備は贅沢?歯科衛生士の社会保険加入状況」の目次

歯科衛生士の労災保険加入状況
歯科衛生士の雇用保険加入状況
歯科衛生士の健康保険加入状況
歯科衛生士の年金加入状況
社会保険完備の歯科衛生士求人を探す
「社会保険完備は贅沢?歯科衛生士の社会保険加入状況」の関連コンテンツ

歯科衛生士の労災保険加入状況

通勤中の怪我を労災でカバー

【不慮の怪我が労災でカバーされることも】

常勤で働く歯科衛生士の労災保険加入率は約70%です。
加入率は増加していると言われており、歯科診療所(歯科医院)の労働環境が整備されてきていることがうかがえます。
また、非常勤の歯科衛生士の労災保険加入率も向上しています。

労災保険とは

労災保険の正式名称は「労働者災害補償保険」と言いますが、ほぼ「労災」で伝わります。

業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して労働者またはその遺族に必要な保険給付を行うための保険です。
雇用保険とあわせて「労働保険」と呼ばれます。

常勤歯科衛生士における勤務先別の労働保険加入率

※日本歯科衛生士会「平成27年 歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より一部抜粋
※回答者のみについて編集

加入 未加入
全体(常勤のみ) 70% 30%
歯科診療所 60% 40%
病院 82% 18%
障がい者歯科診療所 89% 11%
行政 62% 38%
歯科衛生士養成機関 90% 10%
企業(歯科診療) 65% 35%
企業(歯科以外) 87% 13%
歯科検診 88% 12%
社会福祉施設 93% 7%
介護保険施設 81% 19%
地域包括支援センター 100% 0%
その他 81% 19%

歯科衛生士の勤務先別 労働保険加入率グラフ

勤務先によって加入率にかなり差がある状況です。
歯科衛生士が最も多く働く歯科診療所においては、残念ながら他の勤務先よりも加入率が低く、約60%となっています。

歯科衛生士の雇用保険加入状況

失業手当の申請

【雇用保険に加入していないと離職時にデメリットとなることも】

常勤で働く歯科衛生士の雇用保険加入率は約90%で、労災保険よりも高い加入率となっています。
こちらも常勤非常勤ともに加入率は増加していると言われており、歯科診療所の労働環境が整備されてきていることがうかがえます。

雇用保険とは

労働者がなんらかの理由で失業に陥った時に、再就職までの生活を安定させ、就職活動を円滑に行えるよう支援し、必要な保険給付を行うための保険です。

いわゆる「失業保険」、「失業手当」は、一般的にこの雇用保険の基本手当を指します。
労災保険とあわせて「労働保険」と呼ばれます。

常勤歯科衛生士における勤務先別の雇用保険加入率の内訳

※日本歯科衛生士会「平成27年 歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より一部抜粋
※回答者のみについて編集

加入 未加入
全体(常勤のみ) 90% 10%
歯科診療所 93% 7%
病院 90% 10%
障がい者歯科診療所 95% 5%
行政 60% 40%
歯科衛生士養成機関 95% 5%
企業(歯科診療) 89% 11%
企業(歯科以外) 97% 3%
歯科検診 100% 0%
社会福祉施設 100% 0%
介護保険施設 99% 1%
地域包括支援センター 100% 0%
その他 93% 8%

歯科衛生士の勤務先別 雇用保険加入率グラフ

雇用保険の加入率は歯科医院も非常に高く、90%以上です。
行政が唯一低い水準となっていますが、ほとんどの勤務先において、雇用保険は加入を期待できる保険となっています。

歯科衛生士の健康保険加入状況

健康保険証

【健康保険の加入率は意外と高い?】

常勤で働く歯科衛生士の健康保険加入率は約97%、扶養家族としての加入も含めると約99%の高い加入率です。

常勤勤務で扶養家族というのは違和感があるかと思いますが、年の途中での勤務開始(復職)などのケースだと考えられます。
非常勤勤務の歯科衛生士も本人加入が約33%、扶養家族としての加入が約59%で合計約92%が健康保険に加入しています。

健康保険とは

健康保険には、主に市区町村が運営している国民健康保険(国保)と、協会けんぽなどが運営する被用者健康保険(狭義の社保)とがあります。
被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して、必要な保険給付を行うことを目的としています。

また、国保には「国保組合」が運営するものもあり、歯科医院の多くが加入する歯科医師国保はこちらに該当します。

常勤歯科衛生士における加入先別の雇用保険加入率推移

※日本歯科衛生士会「平成27年 歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より一部抜粋

歯科衛生士の勤務先別 雇用保険加入率推移

健康保険の加入率も他の保険同様に徐々に増加していると言われています。
加入先の内訳としては、歯科医師国保の加入率が減少し、狭義の社保における健康保険の加入が増加しているようです。

歯科衛生士の年金加入状況

年金は戻ってくる?

【歯科医院の厚生年金加入率は低いが。。。】

常勤で働く歯科衛生士の年金加入率は約98%、扶養家族としての加入も含めると約99%の高い加入率です。加入率はやや増加傾向のようです。

年金に対する将来の不安について、いろいろな意見がある中では、年金が他の社会保険よりも加入率が高く、また加入率も増加している現状は意外な結果と言えるかもしれません。 非常勤も本人加入が約45%、配偶者としての加入が約50%と高い加入率ですが、若干加入率が減少しているようです。

年金とは

毎年定期的・継続的に給付される金銭、またはそれを保障する仕組みを指します。

一般的に、年金制度とは高齢期の生活の基本的な部分を支える年金を保証する仕組みです。
運営手法や主体により、公的年金、私的年金、個人年金に分類されます。

常勤歯科衛生士における加入先別の年金加入率の内訳推移

※日本歯科衛生士会「平成27年 歯科衛生士の勤務実態調査報告書」より一部抜粋

歯科衛生士の年金加入率推移

歯科衛生士の社会保険加入状況まとめ

社会保険について調べる

【社会保険について再度整理しておきましょう】

歯科衛生の社会保険加入状況は全体として徐々に増加しています。
歯科衛生士不足の昨今、歯科医院も職場環境の改善に力を入れているということなのかもしれません。

ただし、注意しなければならないのは、社会保険適用ではない=職場環境として悪い、ということではないということです。
実際に勤務先の歯科医院で社会保険に加入できなかったとしても、その分給料が高ければ自分で国民健康保険なり国民年金なりに加入すれば問題ないとう考え方もあります。

給料と社会保険加入のメリットとを比較しながら求人の優先順位をつけることは、決して簡単なことではありません。
「どちらがトータルでよい求人なのかよくわからない」という場合には、ぜひファーストナビの担当エージェントにお問い合わせください。

社会保険や給与条件などについて相談する

社会保険完備の歯科衛生士求人を人気エリアから探す

登録して非公開の《社会保険完備》歯科衛生士求人を受け取る

関東エリア
東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨城県 栃木県 群馬県
東海・近畿・中国エリア
大阪府 兵庫県 愛知県 広島県
北海道・東北・九州エリア
北海道 宮城県 福岡県

「社会保険完備は贅沢?歯科衛生士の社会保険加入状況」の関連コンテンツ


★ ファーストナビは歯科衛生士のお仕事紹介実績No.1!

求人紹介サービスに登録
登録して【ファーストナビ歯科衛生士限定】非公開求人を受け取る

監修者:藤多久仁子

歯科衛生士 (2009年免許取得)

キャリアエージェントとしての勤務経験もあり、歯科衛生士の転職サポート実績も多数。

1
1分で簡単登録

登録は4ステップで所用時間は約1分! 細かい職歴を記載する必要はありません!

2
エージェントと相談

弊社エージェントからご連絡いたします。 現在のご状況や転職のご希望条件をお伝えください。

3
ご要望にあったお仕事をご紹介

条件面のご紹介はもちろん、ご不明な点やご不安に思っていることについても ご相談させていただきます。