歯科衛生士の有無が歯科医院の経営に与える影響とは

歯科衛生士が勤務していない歯科医院の経営は厳しい?

【歯科医院の健全な経営には歯科衛生士が不可欠?】

多くの歯科医院には歯科衛生士が勤務しています。
しかし、歯科衛生士不足と言われる昨今、募集をかけても歯科衛生士の採用がうまくいかないという歯科医院は少なくありません。

増員、欠員の補充ができないまま、歯科衛生士がひとりもいないという状況になっている歯科医院は歯科医院全体の20%以上とも言われています。
(もちろん、中には歯科衛生士の募集や採用をそもそも行っていないという歯科医院もあります。)

しかも、歯科衛生士がひとりも勤務していないことは、歯科医院の経営に悪影響があるというデータもあります。
いったいどのような事情があるのでしょうか?

「歯科衛生士の有無が歯科医院の経営に与える影響とは」の目次

歯科医院数と歯科衛生士人数の関係性
歯科衛生士の採用ができなかった場合の影響
その他の歯科医院の経営に影響する要因
「歯科衛生士の有無が歯科医院の経営に与える影響とは」の関連コンテンツ

歯科衛生士はすべての歯科医院には行きわたらない

歯科衛生士は不足している

【歯科衛生士の不足傾向が続いている】

歯科医院あたりの歯科衛生士人数

歯科衛生士の人数は年々増加しているものの、歯科衛生士としての勤務をしていない、いわゆる潜在歯科衛生士の割合は50%以上だと言われています。
その結果として、平成26年時点における就業している歯科衛生士の人数は約12万人となっています。

一方、歯科医院の数はここ数年ではほぼ横ばいとなっており、約7万件です。
ですので、平均すると1件の歯科医院につき1.5人以上の歯科衛生士が勤務しているはずなのですが、当然ながら複数人数歯科衛生士が勤務する大型の歯科医院がある反面、ひとりも歯科衛生士がいないという歯科医院も発生しています。

【歯科医院数および勤務歯科衛生士人数の推移】
出典:厚生労働省発表(平成20年~平成26年)抜粋の上、一部編集

平成20年 平成22年 平成23年 平成24年 平成26年
歯科医院数 67779 68474 68474 68592
勤務歯科衛生士人数 96442 103180 108123 116299
歯科医院あたりの勤務歯科衛生士人数 1.4 1.6 1.7
歯科医院あたりの歯科衛生士人数

歯科医院における歯科衛生士の勤務状況

実際には、歯科衛生士が勤務している歯科医院は約80%、ひとりも勤務していない歯科医院は約20%という結果になっています。

【歯科衛生士の勤務状況】
出典:全国保険医団体連合会 歯科会員アンケートより一部編集の上抜粋
※回答結果不明を割愛

歯科衛生士の勤務有無
勤務している 77.8%
勤務していない 22.2%
歯科衛生士の勤務の有無

歯科衛生士がいないとどうなる?

歯科衛生士がいない歯科医院では、歯科医師(多くの場合は院長)が代わりの役割を担うほかありません。

当然、その分歯科医師としての仕事をする時間は短くなり、結果的に歯科医院として対応できる患者数も減ってしまいます。

もしも、歯科医院の広さや設備的に多くの患者対応ができるにも関わらず、歯科衛生士等のスタッフ不足の問題で対応患者数が減っている場合、設備投資等に使った費用の回収も難しく、歯科医院の経営が圧迫されてしまいます。

歯科衛生士の勤務が歯科医院の収入に影響

実際に、歯科医院が勤務している歯科医院としていない歯科医院においては、歯科医院の収入についての増減に影響を与えています。

【歯科衛生士の勤務別 歯科医院の収入変化】
出典:全国保険医団体連合会 歯科会員アンケートより一部編集の上抜粋
※回答結果不明を割愛

増加 変化なし 減少
勤務している 18.7% 32.3% 49.0%
勤務していない 5.5% 23.0% 71.5%
歯科衛生士の勤務有無と歯科医院の収入

また、一般的に歯科衛生士がひとりもいない歯科医院では歯科衛生士の募集をしても敬遠されがちですので、常に歯科衛生士が勤務している状態を維持することが重要ですね。

歯科衛生士以外の要因

歯科医院の経営要因

【歯科衛生士の在籍以外にも歯科医院の経営にはさまざまな要素が影響する】

もちろん、歯科医院の経営に影響を与える要因は歯科衛生士の勤務だけではありません。
多くの要因が考えられますが、以下のようなデータも発表されています。

歯科医師の人数

歯科衛生士だけではなく、勤務歯科医師の存在も歯科医院収入に影響します。
歯科医院の院長は歯科医師ですので「院長以外の歯科医師が勤務しているかどうか」ということになります。

【院長以外の歯科医師の勤務別 歯科医院の収入変化】
出典:全国保険医団体連合会 歯科会員アンケートより一部編集の上抜粋
※回答結果不明を割愛、項目名を変更

増加 変化なし 減少
勤務している 22.3% 33.7% 44.0%
勤務していない 12.6% 28.2% 59.1%
歯科医師の勤務有無と歯科医院の収入

院長の年齢

歯科医師の人数だけではなく、院長の年齢も歯科医院の収入の増減に影響すると言われています。

もちろん、年齢に関わらず技術や知識、バイタリティも向上していく歯科医師もいますが、平均的には院長が年齢を重ねるごとに歯科医院の収入は減少します。

院長だけがひたすら患者を診るというモデルではなく、後継者を育てたり、チームで多くの患者対応ができる状況にしない限り、院長の体力や設備の劣化などに伴い、徐々に歯科医院の経営は苦しくなっていく傾向にあると言えます。

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監修者:藤多久仁子

歯科衛生士 (2009年免許取得)

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