2015年12月11日

弄舌癖[ろうぜつへき]について

弄舌癖とは

弄舌癖(ろうぜつへき)とは、舌をもてあそぶようなことをする癖で、舌先で歯の裏側を押したり、舌先を前歯でかんだり、舌先を歯の隙間に挿入したりする癖を指します。
舌は通常、上顎の口蓋(こうがい。口の上の天井部分。)に軽く触れている位置ですが、舌の位置が異常であると、さまざまな弊害がおこります。
具体的には、上下顎前歯部の唇側傾斜を引き起こし、開咬や上顎前突の原因になる可能性があります。
また、弄舌癖によって就寝中などの無意識下に舌に咬傷などを作ってしまうこともあり、舌炎や舌痛の原因にもなります。
弄舌癖があると、しゃべり方が舌っ足らずになりやすいという傾向もあります。

開咬とは

開咬とは上下歯列の垂直方向での不正咬合を指します。上下の歯をかみ合わせた際に上の前歯と下の前歯が開いてしまう状態です。

上顎前突とは

いわゆる出っ歯のこと。唇が閉じにくく、口呼吸になりやすかったり、安静時の舌の位置がよくない場合には、頭位がずれることで猫背になりやすいなどの問題もあります。

弄舌癖の原因

舌の長さや大きさ、上顎の形態、口蓋の深さなどが影響して、弄舌癖になることがあります。
また、吸指癖などの、他の口腔習癖が原因で上顎前突や開咬などの不正咬合を引き起こし、そこから弄舌癖が引き起こされることもあると言われています。

弄舌癖と乳児型嚥下

弄舌癖は乳児型嚥下という異常嚥下癖と一緒に起こることが多いと言われています。
乳児型嚥下とは、乳児が母親の母乳を吸い、嚥下するパターンの嚥下であり、歯の萌出後に一般的に行われる成熟型咀嚼嚥下パターンとは異なっています。
歯が萌出したのちも乳児型嚥下のパターンが長く残ってしまうと、弄舌癖や咬唇癖の原因となり、不正咬合を引き起こすことがあります。

乳児型嚥下の嚥下パターン

  1. 舌を前に突き出しながら下顎を前方に移動させる
  2. 口輪括約筋(唇を閉じたり口先をとがらせて前方に出したりするのに使う表情筋のひとつ。口裂を輪状に取り巻くかたちになっている)の活動とともに乳首をくわえて母乳を吸う
  3. 母乳の吸啜から嚥下までの哺乳動作中、顎を前後にピストン運動させる
  4. 舌は低位であり、舌背(舌の上の面)はくぼんだ形をとる

弄舌癖の治療

弄舌癖は、ガムや専用の装置などを利用し、舌の機能訓練やトレーニングを行います。
弄舌癖がある場合には、例えば上顎前突の歯科矯正治療を行ったとしても、後戻りしてしまうことも多いと言われていますので、まずは弄舌癖から治していく必要があります。

「弄舌癖」についての関連キーワード


★ SNSで最新お役立ち情報を受け取ろう

Twitterアカウントをフォロー

Facebookアカウントをフォロー

Instagramアカウントをフォロー
Instagram


★ ファーストナビは歯科衛生士のお仕事紹介実績No.1!

登録フォーム
登録して【ファーストナビ歯科衛生士限定】非公開求人を受け取る