吸指癖(指しゃぶり)[きゅうしへき(ゆびしゃぶり)]とは
生理的な行為としての指しゃぶり
吸指癖とは、いわゆる指しゃぶりと言われるものです。
生後2か月から3か月ごろから、指しゃぶりをする子供が増えてきます。
子供には何かを吸うという「吸てつ反射」という本能があり、概ね4歳くらいまでであれば生理的なものと考えることができ、1歳、2歳の子供が指しゃぶりをすることはごく普通のことと捉えて問題なさそうです。
約30%の子供が吸指癖を経験するとも言われています。
吸てつ反射とは
赤ちゃんが生きるために(母乳やミルクを飲むために)、口にさわったものを吸うという本能的な行為です。
おっぱいや哺乳瓶だけでなく、自分や親の手や足、指など、なんでも吸うことで安心感を得るようになります。
指しゃぶりをしながら寝るという子供も少なくありません。
おなかがすいたから指をしゃぶるの?
指しゃぶりは吸うという本能によるものなので、おなかがすいて指をしゃぶっているわけではありません。
ただ、指をしゃぶることで多少おなかがすいていることが紛れるということもあるようで、おなかがすいた時にしゃぶった指を離さずにしゃぶり続けることもあるようです。
精神的緊張や欲求不満による吸指癖(指しゃぶり)
4歳をすぎてなお指しゃぶりをしている場合は、「さみしい」、「怖い」、「不安」など精神的緊張や欲求不満に起因している可能性があります。
指しゃぶりを無理にやめさせようとすると、かえって子供の精神的緊張や欲求不満、ストレスが高まり、より頻繁に指しゃぶりをするようになるなど、逆効果になってしまうこともありますので注意が必要です。
拇指(親指、おやゆび)を吸う拇指吸指癖がもっとも多いと言われ、指を吸うことで、上顎乳前歯部の唇側傾斜と、下顎乳前歯部の舌側傾斜がおこり、不正咬合の原因になることがあります。
吸指癖(指しゃぶり)によって引き起こされる不正咬合
- 上顎前突 いわゆる出っ歯のこと。唇が閉じにくく、口呼吸になりやすかったり、安静時の舌の位置がよくない場合には、頭位がずれることで猫背になりやすいなどの問題もあります。
- 前歯部の開咬 開咬とは上下歯列の垂直方向での不正咬合を指します。上下の歯をかみ合わせた際に上の前歯と下の前歯が開いてしまう状態です。
- 上顎歯列弓の狭窄(狭窄歯列弓) 歯列弓とは、歯列の描いている弓の形の曲線を言います。狭窄歯列弓とは、このU字型のカーブが狭くなってしまっている状態を指します。
吸指癖(指しゃぶり)の注意事項
日中ずっと指しゃぶりしているような場合や、日中指しゃぶりをしていなくても睡眠中も無意識に指しゃぶりをしちえるような場合には、不正咬合を引き起こしてしまう可能性があります。
開咬などの不正咬合になってしまうと、見た目、容姿の問題だけではなく、言葉の発音がわるくなってしまったりすることがあります。
また、しゃぶっている指の皮がめくれたり化膿してしまうこともあります。
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