公開：2018/04/27

歯科衛生士は勤務先歯科医院にどんなことを改善してほしいと思っている？

歯科衛生士は、比較的離職率や転職する回数の多い職種だと言われています。

もちろん、その背景には有効求人倍率が高く、転職しても仕事が探しやすいという国家資格の強さや、就職・転職の際に十分な情報が得られるインフラが整っていないなどさまざまな要因があります。

しかし、やはり何らかの不満や、改善してほしいと感じている点があり、最終的には転職にむずびついてしまうというケースが多いでしょう。

自身が勤務している歯科医院に対して、働いている歯科衛生士はどのようなことを改善してほしいと感じているのでしょうか。

「歯科衛生士は勤務先歯科医院にどんなことを改善してほしいと思っている？」の目次

【歯科医院に改善してほしいこととは】

実際に歯科衛生士が職場に改善してほしいと思っていることはどのようなことなのでしょうか。

調査の結果によると、以下のような回答になっています。

回答別の内容で見ると、圧倒的に待遇改善が望まれており、「給料をもっと上げたい」、「自分の給料が安い」と感じている歯科衛生士が多いであろうことがわかります。

【歯科衛生士が職場に改善してほしいこと/複数回答】
※日本歯科衛生士会報告資料より推計

また、各項目を「待遇関連」、「職場環境関連」、「キャリア関連」のカテゴリーに分けたところ、以下のような結果となりました。

個別の項目としては待遇改善が圧倒的に期待されていますが、カテゴリーとしては職場環境に関する内容が多く希望されています。

職場環境の改善を求める歯科衛生士は多いものの、待遇等よりも、「なんの改善をしてほしいのか」が歯科衛生士によって異なるといったことがありそうですね。

【カテゴリー別歯科衛生士が職場に改善してほしいこと/複数回答】
※日本歯科衛生士会報告資料より推計

【歯科医院にもっとも改善してほしいこととは】

では、複数回答ではなく、「もっとも改善してほしいこと」という単一の回答であった場合には、どのような結果になるのでしょうか。

やはり、項目別では給料などの待遇を改善してほしいとの声が最も強いようです。

【歯科衛生士が職場にもっとも改善してほしいこと】
※日本歯科衛生士会報告資料より推計、一部改修

また、複数回答と同様に、各項目を「待遇関連」、「職場環境関連」、「キャリア関連」のカテゴリーに分けたところ、以下のような結果となりました。

単一回答で見ると、複数回答時よりも「待遇関連」の項目の希望が強い傾向にあるようです。

やはり、あえて一つ改善してほしいとすると「給料（待遇）」という意見が歯科衛生士にはもっとも多いということでしょう。

【カテゴリー別歯科衛生士が職場に改善してほしいこと/複数回答】
※日本歯科衛生士会報告資料より推計

【回答方法で結果は変わる？】

「改善してほしいもの」という複数回答と、「もっとも改善してほしいもの」という単一回答であった場合とで、それぞれの回答内容にはどのような違いが見えるでしょうか。

待遇面については、複数回答であっても単一回答であっても非常に大きな支持をされており、本質的に多くの歯科衛生士が改善を求めている内容であるといえるでしょう。

そのため、転職などにおいても、直接的な給料・待遇の内容を重視して活動する歯科衛生士は多そうです。

また、業務量、人間関係といった内容も回答数が多い内容です。

待遇と同様に、転職活動時に重視されたり、退職のきっかけになりやすい項目であるといえるでしょう。

一方で、研修機会や福利厚生などは、複数回答では改善を希望されつつも、単一回答では割合を落としています。

逆に、あればプラスになるものの、転職先の選定や退職の直接的な理由にはややなりづらいのかもしれません。

【歯科衛生士が職場に改善してほしいこと】
※日本歯科衛生士会報告資料より推計