急性う蝕と慢性う蝕、歯科衛生士の仕事内容に違いはあるの?

【歯科衛生士の業務】急性う蝕と慢性う蝕について

【急性う蝕と慢性う蝕の違いとは?】

歯科衛生士さんであれば誰でも知っていることですが、一般に虫歯と呼ばれる歯科疾患のことを歯科の専門用語としては「う蝕」と呼びます。
また、これまた「今さら」と思われる歯科衛生士さんも多いかもしれませんが、う蝕には「急性う蝕」と「慢性う蝕」とがあり、う蝕の進行スピード、経過によって分類されます。

「急性う蝕」と「慢性う蝕」歯科衛生士さんの働き方や仕事内容にどのような違いをもたらすのか、まとめてみました。

「急性う蝕と慢性う蝕、歯科衛生士の仕事内容に違いはあるの?」の目次

う蝕の進行度による分類
急性う蝕に関する歯科衛生士業務
慢性う蝕に関する歯科衛生士業務
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進行の度合いによるう蝕の分類

う蝕の分類

【う蝕の進行度合いをチェック】

一般的に、う蝕の進行度による分類を行う場合、C0~C4による分類が使われます。

C0

C0は歯の表面が少し溶けて白く濁った状態です。
自覚症状も全くないことが多いといえます。

厳密にはう蝕にはまだ至っていない状態であり、「要観察歯」、「ホワイトスポット」とも呼ばれます。

う窩(穴の開いたう蝕)ができていないため、フッ素等の活用により、歯の再石灰化で元通りになることも期待できます。

なお、C0と表記されるものの「0」の部分は数字のゼロではなく、observation(観察)の「o」を意味します。

C1

歯の表面にあるエナメル質に小さな穴が開いてしまった進行状態のう蝕で、エナメル質う蝕とも呼ばれます。

エナメル質には知覚がないため、この段階でも自覚症状は基本的にありません。
また、C1の段階であればう蝕の治療についても、あまり痛みを伴わずに行うことが可能です。

C2

う蝕による穴がエナメル質を通過し、象牙質に達してしまっているう蝕です。
象牙質う蝕とも呼ばれます。

この段階まで進行すると、熱いものや冷たいものが歯にしみるため、自覚症状も出てきます。

C3

歯髄(歯の神経)まで達したう蝕です。

C3の段階になると歯髄炎による痛みも激しく、治療についても比較的強い痛みを伴うことが多くなります。

C4

う蝕により歯冠部が崩壊してしまっている状態のう蝕です。
う蝕は歯根まで進行しており、深刻な状況と言えます。

抜歯によって対応せざるを得ないケースも少なくありません。

急性う蝕と歯科衛生士

急性う蝕と歯科衛生士

【急性う蝕と歯科衛生士業務】

急性う蝕とは?

急性う蝕とはその名が示す通り、急速に進行が進むう蝕のことを言います。

C1からC2、C3へと急速に進行するため、早急な治療によっていかに早い段階で進行を食い止めるかがポイントになります。
具体的にはC2の段階でしっかり治療をすることが重要になってきます。

急性う蝕は乳歯や、生えて間もない永久歯に特に顕著です。
歯根が完成しきっていない、思春期における臼歯などでは特に注意が必要です。

歯科衛生士の仕事への影響

急性う蝕の特徴はその進行の速さです。
治療の難易度も相対的に高く、治療のアシスタントにあたる歯科衛生士にも一定のスキルが求められます。

また、思春期の患者はなかなか思い通りに来院してくれなかったり、十分なブラッシングができないこともあります。

保護者を巻き込んで計画的にしっかり治療していくこと、また正しいブラッシングの必要性を理解してもらうことを含めての、丁寧なブラッシング指導も重要です。

急性う蝕は急激に激しい痛みを感じ始めることも多く、このような患者に対応する歯科医院では、予約外の飛び込みの新患が多かったり、歯科衛生士もフレキシブルな動きが求められます。

慢性う蝕と歯科衛生士

慢性う蝕と歯科衛生士

【慢性う蝕と歯科衛生士業務】

慢性う蝕とは?

慢性う蝕とは、急性う蝕とは逆に進行の遅いう蝕のことを指します。

小児や若い人に多い急性う蝕と異なり、慢性う蝕は主に成人にみられるう蝕です。
場合によっては数年単位でC1やC2の状態が続きます。

う蝕の状態や進行スピードを把握しつつ、治療を進めたり経過を観察したりします。

歯科衛生士の仕事への影響

慢性う蝕は相対的には緊急性が低いため、う蝕の深刻度や、患者本人の生活への影響などを鑑みながら治療の計画を進めていきます。

進行度合いやう蝕の本数などにもよって、すぐに治療して完了するのか、複数回に渡って来院するのかも変わってきます。
歯科衛生士としてはカウンセリングや患者さん本人とのコミュニケーションにより、納得感のある治療につなげたいところです。

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監修者:藤多久仁子

歯科衛生士 (2009年免許取得)

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