【歯科衛生士のお仕事】勤務地域による患者層の違いとは?

歯科医院の地域によって歯科衛生士の仕事が変わるの?

【地域と歯科患者との関連性とは】

以前、東京23区のうち、都心部と東部では小児の虫歯の罹患率が明らかに違うというニュースが話題になったことがありました。

関東圏に地縁のない方はこれだけ聞いてもピンとこないかもしれませんが、このニュースは、「貧困と小児の虫歯の罹患率に相関がある」というメッセージとして配信されました。

都心部・中心部ではないとはいえ、東京都の東部地域が「貧困層」なのかは大いに疑問が残りますし、お住まいの方やご縁のある方には面白くない言い分でしょうが、都心部地域と東部地域で住んでいる方々の経済状況に違いがあるのは事実でしょう。

しかし、経済状況と小児の虫歯の罹患率が変わるのはなぜなのでしょうか?
また、地域の違いにより、歯科衛生士の業務にはどんな違いが出てくるのでしょうか?

「【歯科衛生士のお仕事】勤務地域による患者層の違いとは?」の目次

経済力と小児の虫歯の関係性
地域による歯科衛生士の仕事の違い
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経済力が低い地域で小児の虫歯が増えるわけ

小児の虫歯が多い地域

【経済力が低いと小児の虫歯が増えるというデータが】

理由はひとつではないでしょうし、最終的には家庭それぞれ、小児ひとりひとりに固有の原因があります。
しかし、一般的にいくつかの原因が指摘されています。

お金がなく、歯科医院を受診できない

歯科医院に行く経済的な余裕がないため、虫歯になったり、悪化したりが進むという仮説です。
海外では日本のような皆保険制度(全員が何かしらの保険に加入している制度)が維持されておらず、虫歯になっても歯科医院に行けない、という話が収入格差を語るさいに時折紹介されます。

しかし、日本では歯科医院にかかるのにそれほど大きな金額が必要になることは(海外に比べ)あまりなく、そもそも東京23区においては義務教育段階の子供の医療費は無償です。

この理由いによって、経済力と小児の虫歯罹患率を結びつけるのは難しそうです。

忙しく、歯科医院に子供を連れていけない

例えば、一人親世帯では、なかなか仕事を休むことができない環境であったり、ダブルワークで休みがなかったりして、歯科医院に子供を連れていけないということも考えられます。

代わりに歯科医院に子供を連れていってくれる人を探すというのも簡単ではないでしょう。

歯科医院を受診するのが遅れる結果、虫歯が深刻化するなどの可能性は高そうです。

子供の健康に関する意識が薄い

経済力の低い家庭のほうが、子供の健康への関心が低く、虫歯等にも気づきづらいという意見もあります。
また、子供は歯磨きに対して一般的に積極的ではありませんし、ひとりで上手に磨くことも簡単にはできません。

親なり、周囲の大人がしっかり躾をして歯磨きの習慣を身につけさせたり、指導をしたり、ときには磨いてあげることも必要になってくるでしょう。

こういったことに、経済力の低い家庭は関心度の低さから時間や労力を費やしていないという説ですが、やはり、忙しくかまってあげられないという事情もありそうです。

糖質の摂取量が多い

経済力の低い家庭では、菓子パンなどで食事を済ませる比率が高くなったり、間食が増える傾向にあるという話もききます。

また、一人親家庭の子供が一人で食事をする場合には、歯磨きをせずに寝てしまったりなど、さらに虫歯のリスクを助長させる可能性もあります。

歯科衛生士の業務についての影響

歯科衛生士の業務への影響

【歯科衛生士が働くうえではどんな影響がある?】

さて、このような経済力の違いによる、小児の虫歯罹患率に代表される、患者の状態の違いは、歯科衛生士にとってどのような意味をもつのでしょうか?

深刻な状態になってからの受診が多い

今まで見てきた通り、経済力の低い家庭の比率が高い地域では、すでに深刻な虫歯の状態になってから歯科医院を訪れる傾向にあります。
当然ながら、予防歯科よりも、すでに進行した虫歯等の疾患の治療(のアシスト)が歯科衛生士のメイン業務になってくるでしょう。

治療の継続が困難

そもそも初診でもなかなか歯科医院に来れないわけですから、治療中であっても急に来なくなってしまう患者さんも多くなると考えられます。

歯科医師ももちろんですが、歯科衛生士にとってもストレスを感じる原因になりそうです。

家族への指導・啓発が難しい

特に小児歯科に関しては、本人の意識ももちろんですが、それ以上に親などの周囲の大人への意識づけが重要になってきます。

なかなか余裕がなく、子供の健康に十分に意識を振り向けられない親の行動をかえることは、かなり難しそうです。

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監修者:藤多久仁子

歯科衛生士 (2009年免許取得)

キャリアエージェントとしての勤務経験もあり、歯科衛生士の転職サポート実績も多数。

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