小児歯科[しょうにしか]について
小児歯科とは
小児歯科とは、歯科の診療科のひとつであり、小児（成人に至るまでの患者）を専門に治療する科です。
う蝕（虫歯）や歯周病、不正咬合（かみあわせの異常）の予防や治療など、歯や口腔の総合的な健康管理を通じて小児の発育を正していきます。
歯科、矯正歯科、歯科口腔外科と同様に標榜科目としても認められています。
小児歯科医院
小児歯科を標榜している歯科医院（歯科診療所）には、小児歯科を専門的に取り扱っている歯科医院と、成人と小児の両方の歯科治療を取り扱っている歯科医院とがあります。
いずれの場合も、一般的には医科における小児科と同様に、専門知識と技術（小児歯科学）をもったスタッフ（歯科医師、歯科衛生士等）が対応するケースが多いと言えます。
中には保育士の有資格者を配置している小児歯科医院もあります。
小児歯科学
小児歯科学とは、成長期にある小児を対象とした歯科医学です。
小児歯科では、成長発育に関する知識はもちろんのこと、保護者への歯科指導を行う必要性などもあるため、コミュニケーションと行動科学が深く関係してきます。
歯科保存学や歯科補綴学など、他の臨床歯科学が処置する内容によって区分されているのに対し、小児歯科学は患者の年齢や発育段階によって区分されているという特徴があります。
小児歯科における特徴と注意点
小児歯科においては、下記の点などの特徴に注意する必要があります。
- 小児の年齢によっては、自分がなぜ歯科を受診しているのか（治療等が必要なのか）が理解できていない。
- 小児の歯の発育は、妊娠中の母親の状態や、生まれてからの子供の全身状態の影響をうけやすいため、本人以上に、母親などの保護者からの詳しい問診を必要とします。
- 成長期であるため、永久歯列が完成するまでの変化を想定しなければなりません。その上で、成長期における歯列の変化を正しく想定することは簡単なことではありません。
小児歯科の現状
近年の出生数の減少に加え、小児の主な歯科疾患であるう蝕についての小児当たりの経験歯数も大きく減少しています。
12歳児のDMFT（う蝕になったことのある永久歯の数）は、1975年には5.61であったものの、2008年には1.54となっています。
DMFTの減少はよいことではありますが、小児科医院の経営については、環境が厳しくなっていると言えそうです。
小児歯科の目的
もともと小児歯科は、小児のう蝕が非常に多かった時代に、小児のう蝕に対処できる歯科医院を養成する目的で作られたと言われています。
そのため、当初は小児のう蝕の治療と予防が目的でしたが、時間の経過とともに小児に発生するあらゆる歯科疾患を治療、予防するようになり、現在では「健全な永久歯列を完成させる」ことを目的としています。
ですので、「健全な永久歯列を完成させる」うえで障がいとなりうるあらゆる疾患、形成異常、習癖の治療と予防が現在の小児歯科の対象となっています。
例えば、主たる口腔疾患であるう蝕については、食生活の乱れが大きな要因となりますし、歯周疾患は口腔清掃の不良ということが大きな要因となります。
そのため、小児歯科には食生活指導や口腔衛生指導が必然的に含まれ、小児歯科は単に口腔疾患の予防や治療にはとどまらないということになります。
小児歯科に関する学会、団体
一般社団法人 日本小児歯科学会
■日本小児歯科学会の概要
- 小児歯科医療の発展と向上をはかり、小児口腔保健の充実と増進に寄与することを目的に1963年に設立された学会です。
- 会員数約4500人（2015年10月現在のHP掲載情報）のかなり大きな学会です。
■日本小児歯科学会の問い合わせ先
- 住所 〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43-9駒込STビル4階 一般財団法人口腔保健協会内
- TEL 03-3947-8891（代表）
JSPP全国小児歯科開業医会
■全国小児歯科開業医会の概要
- 小児歯科を専門または中心に開業している歯科医師の組織です。
- 会員は全国で約400人（平成25年9月現在）で、全員が日本小児歯科学会の会員です。
- 患者紹介、研修会等の開催、研究助成、専門雑誌の発行などの活動を行っています。
「小児歯科」についての関連キーワード
★ SNSで最新お役立ち情報を受け取ろう
Twitterアカウントをフォロー Follow @firstnavi_dh
Facebookアカウントをフォロー
Instagramアカウントをフォロー 
★ ファーストナビは歯科衛生士のお仕事紹介実績No.1！
