2015年12月11日

乳歯咬合完成前期(乳歯萌出期、乳歯萌出開始期)[にゅうしこうごうかんせいぜんき(にゅうしほうしゅつき、にゅうしほうしゅつかいしき]について

乳歯咬合完成前期(乳歯萌出期、乳歯萌出開始期)とは

歯の咬合発育段階を示す、「ヘルマン(Hellman)の咬合発育段階」のひとつで、記号ではⅠCと記されます。
※「ヘルマン(Hellman)の咬合発育段階」は「ヘルマン(Hellman)の歯齢(dental age)」とも呼ばれます。
下顎乳中切歯(下の前歯)が萌出を開始する生後8か月から9か月頃から、上顎第二乳臼歯が萌出を完了する3歳ごろまでの期間を指します。
小児歯科の咬合発育段階としては、乳歯未萌出期(無菌期)の次の時期であり、乳歯咬合完成前期がすぎますと、次は乳歯咬合完成期(乳歯列期)へと移ります。

乳歯咬合完成前期は、乳歯が次々と萌出していく時期であり、小児の顎も、前後、左右、上下にと大きく成長していきます。
食事も今まで離乳食のみだったものが幼児食(離乳食を終えた1歳ごろからの5歳ごろまでの食事。栄養により身体の成長を促進するだけではなく、食べることへの興味付けや、食事の好みの基礎づくり、正しい食習慣をみにつける、などの役割がある。)へと変わります。
幼児食を食べるようになることで、固形物を咀嚼したり、嚥下する機能を獲得することができます。
また、乳歯咬合完成前期の食行動によって食べ物の好み、食品嗜好などが形作られ、その後の食習慣が決まっていきますので、とても重要な時期だと言えます。
乳歯咬合完成前期に正しく身に着けた食習慣によって、生活習慣病や肥満の予防などにもつながります。

乳歯咬合完成前期(乳歯萌出期、乳歯萌出開始期)における注意点

乳歯咬合完成前期には、誤った授乳行為によって引き起こされる哺乳う蝕(母乳を長期ににわたって授乳させている幼児などに検出される重症う蝕。上顎乳臼歯のみ、あるいは上下顎乳臼歯のみにう蝕があるものを指す。)が出たり、ちょうど歩き始める時期ですので、転倒による乳歯外傷も多く起こります。
乳歯が外傷を受けた場合、乳歯のすぐ上には永久歯が育っていますので、力の加わり方によっては永久歯が変色したり、形成が悪くなってしまうことも考えられます。

また、乳歯咬合完成前期の小児は、保護者と離されることを嫌がったり、言葉によるコミュニケーションを十分に行うことができず、言い聞かせることができなかったりしますので、歯科医師、歯科衛生士などの歯科従事者による十分な治療を受けることができないこともあります。

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