第一大臼歯・前歯萌出完了期(混合歯列前期)[だいいちだいきゅうし・ぜんしほうしゅつかんりょうき(こんごうしれつぜんき)]について
第一大臼歯・前歯萌出完了期(混合歯列前期)とは
歯の咬合発育段階を示す、「ヘルマン(Hellman)の咬合発育段階」のひとつで、記号ではⅢAと記されます。
※「ヘルマン(Hellman)の咬合発育段階」は「ヘルマン(Hellman)の歯齢(dental age)」とも呼ばれます。
第一大臼歯・前歯萌出完了期は上顎側切歯の完了する9歳ごろまでの時期を指します。
混合歯列前期は顎の成長が著しく、顎の幅や深さが大きくなっていきます。
また、顎の成長の遅れにより、下顎切歯の叢生(そうせい、クラウディング)(歯の大きさに対して顎の大きさが小さすぎることが原因となっておこる歯列不正のひとつで、歯が重なり合って生えている状態の歯並びのこと。)が引き起こされることもありますが、多くの場合は顎の成長に伴って正しい位置に配列されていきます。
叢生を治療しなくてはいけない場合は、子供の時期であれば顎骨を広げることもある程度可能ですが、一般的には歯を抜いて歯がきれいに並ぶことができるだけのスペースを確保したうえで矯正治療を行います。
顎の骨がまだ発達段階にある小児の場合には、少しくらい前歯の並びが悪く見えていたとしても、それだけで歯並びが悪いかどうかは判断できないケースガ多くあります。
歯並びによくない影響を及ぼしてしまうような習慣があるかないかや、顎の骨の成長に伴って自然になおるものかどうかなどを検討しながら矯正の必要性を判断します。
顎の上下のバランスや左右のずれがなければ多くの場合、顎の成長そのものには問題ありません。
ところが、上下の歯列が前方に突出している上顎前突(出っ歯)や、下の歯が上の歯よりも外側に出てしまう反対咬合(受け口)、前歯が咬みあわずに開いている開咬といった症状がある場合には、顎の成長そのものに問題がある可能性がありますので、早めの矯正治療を検討すべきかもしれません。
小児歯科の咬合発育段階としては第一大臼歯・前歯萌出期の次の時期であり、第一大臼歯・前歯萌出完了期(混合歯列前期)がすぎますと、次は側方歯群交換期(混合歯列後期)へと移ります。
みにくいあひるの子の時代(ugly duckling stage)
乳歯咬合完成期から混合歯列前期にかけて、特有の「みにくいあひるの子の時代」と呼ばれる時期があります。
上顎切歯萌出期に、上顎切歯の萌出方向が遠心に向いているために一時的に顎内にあった歯の配列の状態がほぐれず、一見不正配列(萌出異常)のように見える生理的な正中離開がみられる時期です。
一般的にはその後の犬歯の萌出、顎の十分な成長発育によって正常な配置へと移行していきます。
第一大臼歯・前歯萌出完了期(混合歯列前期)における注意点
叢生で歯が重なり合っているときには、たんに見た目が良くないという問題だけではなく、プラークコントロール(歯についたプラーク=歯垢の量を減らすこと)が難しくなるという問題もおこりやすくなります。
プラークコントロールがうまくできていないと、う蝕や歯周病になりやすいので注意が必要です。
「第一大臼歯・前歯萌出完了期(混合歯列前期)」についての関連キーワード
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- 乳歯未萌出期(無菌期)
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